本記事は、IT業界未経験で転職を考えている人向けの記事です。

最近のChatGPTなどの生成AIの発展を見て、IT業界に興味を持ち、転職を考えられている方もいらっしゃるかと思います。

ただ、IT業界の仕事について、「そもそも自分に向いてるのかな?」と不安に思うこともあるかもしれません。ここでは、これからIT業界で活躍できるかどうかの判断軸を、整理してみました。転職を考える際の判断の参考にしてください。

参考記事:未経験から生成AIエンジニアになる方法

数年後のITエンジニアの将来はどうなる?

これから数年後、IT業界では次のような変化が進んでいくと考えられます。

プログラミングの大半はAIが書く

現在はGitHub Copilotのような、AIが人間のプログラム作業を支援する流れが主流ですが、今後は一歩踏み込んで、AIがゼロからプログラムを生成することが増えます。すでに、Microsoftではコードの30%はAIが書いているプロジェクトもあるようです。

そのため、エンジニアの仕事はAIに作らせたコードをレビューしたり、「システムに必要なことを整理する(=要件定義)」や「運用方法を考える」といった、設計や調整の仕事が中心になっていきます。

AIを組み込んだシステムが当たり前に

新しく作るシステムだけでなく、今ある既存システムにもAIを組み込むのが当たり前になります。多くのシステムでAIとの連携が求められます。エンジニアは既存の業務システムの仕様を理解して、AIの組み込みを考えることが求められます。

エンジニアは「AIと働く人」になる

AIの動作をテストして、うまく動くように調整したり、トラブルがあれば対応したり。つまり、「AIに仕事をさせる環境を整える人」になります。 


ITエンジニアの仕事は、プログラムを書く人から「AIと一緒に考え、仕組みをつくる人」へと進化しています。では、これから求められるエンジニア像とはどんな人でしょうか。3つのチェックポイントで整理してみました。

IT業界に向いているかどうか、3つのチェックポイント

①好奇心:テクノロジーにワクワクできる?

新しいツールやアプリに出会ったとき、「これってどうやって動いてるんだろう?」「自分でも作ってみたいな」と感じたことはありますか?

たとえば、ChatGPTや画像生成ツールを見たときに、「ちょっと試してみよう」と手が動く人は、この業界に向いています。ITの世界は日々進化しているので、「好奇心」が武器になります。

②整理力:わかりやすくまとめるのが得意?

エンジニアの仕事の半分は、「整理して伝えること」です。

たとえば、
・話を聞いて、「つまり〇〇ってことですよね?」と要点を整理できる。
・何かの作業手順を図や表にして、他の人にわかりやすく説明できる。
・やることを整理して、段取りを見える化するのが好き。

こういうタイプの人は、システム設計や日々の仕事で力を発揮できます。

③想像力:見えないものをイメージするのが好き?

システムの中身は、普段見ることができません。でも、それを頭の中でイメージしながら組み立てていくのが、エンジニアの仕事です。既存システムのドキュメントやコードを読んで、システムの構成要素を把握し、リクエストが来た後の処理をイメージすることが求められます。

たとえば、レストランの予約システムを想像してみます。
ユーザーがブラウザで希望する日時や人数を入力して「予約する」ボタンを押すと、その情報がインターネットを通じてシステムに送られます。システムはまず、入力内容に間違いがないかを確認し、そのあとに「その日時に席が空いているか」をデータベース(予約の記録がある場所)で調べます。席が空いていれば、新しく予約を登録して、お店に「予約が入りました」と知らせます。そして最後に、ユーザーの画面に「予約が完了しました」と表示します。

情報システムは、画面の裏側でさまざまな処理が行われています。情報システムの知識がなければ難しいのですが、目に見えないものを想像して、システム処理の流れを頭の中でイメージすることが苦にならない方は、適性があると思います。

まとめ:ITエンジニアは職人からディレクターへ

ITエンジニアは、これまで職人的な色がありましたが、今後はAIを使いこなすディレクターのような仕事になると考えられます。

ここまで読んで、「全部当てはまる!」という人はもちろん向いています。ただ、2つ当てはまるなら十分です。私自身は①と②が△で、③が苦手で苦労しています。

①と②が〇なら大手SIer、ITコンサル、IT系研修会社、①と③が〇ならWeb系企業が良いと思います。①が×な人はこの記事を読んでいないと思いますが、もし②と③が〇で①が×の場合、学習が持続しない可能性が高いので、IT業界はやめておいたほうが良いでしょう。

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