はじめに
クラウドエンジニアは、現代のIT業界で需要が高い職種の一つです。その中でも、Microsoft AzureとAmazon Web Services(AWS)は、世界的に広く使われているクラウドプラットフォームであり、多くの企業が採用しています。この記事では、AzureとAWSの特徴を比較しながら、初心者がどちらを学ぶべきかを考える際のポイントや、キャリアの方向性に応じた選択肢を解説します。
AzureとAWSの違い
1. 市場シェアと成長
AWSはクラウド市場で最大のシェアを持ち、特にスタートアップやテクノロジー企業で広く採用されています。
Azureは、エンタープライズ市場や大企業、金融業界で急速に成長しており、Microsoft製品との統合が強みです。
ざっくりですが、AWSは7割、Azureは3割程度の求人比率であり、AWSのほうが市場全体ではやや優勢ですが、Azureも、生成AI周りなど特定の業界で高い需要があります。
2. 特徴的な強み
AWSの強み
世界中で利用されているクラウドプラットフォーム。
多様なサービスと柔軟な構成が可能。
スタートアップや中小企業から大企業まで幅広く採用。
Azureの強み
Microsoft製品との連携が非常に優れている。
エンタープライズITやハイブリッドクラウドに強み。
金融、医療、政府機関などの分野で特に強い。
初心者にとっての学びやすさ
Azureの特徴
Azureは、WindowsやMicrosoft製品を使った経験がある人にとって親しみやすい環境です。
直感的なインターフェース:Azureポータルを通じて操作が簡単。
学習リソース:Microsoft Learnで無料のチュートリアルやトレーニングを提供。
AWSの特徴
AWSは、クラウドの基本から応用まで幅広く学ぶことができ、特に初心者向けのプログラムが充実しています。
初学者向け資格:AWS認定クラウドプラクティショナーは、初めてのクラウド学習に最適。
ハンズオンラボ:実践的なスキルを学べるトレーニングが豊富。
初心者が選ぶべきプラットフォーム
Azureを選ぶべき人
Microsoft製品を使う企業で働きたい人。
エンタープライズ市場や大企業、政府機関でのキャリアを目指している人。
生成AIの活用に関心が高い人※
※Azure AI SearchやAzure Document Intelligenceなど、生成AI周りのサービスは、AWSよりAzureの方がこなれている印象です。ただ、今後AWSがキャッチアップしてくる可能性は十分に考えられます。
参考記事:Azure AI Document IntelligenceとLangChainを活用したRAGの実装
AWSを選ぶべき人
スタートアップやテクノロジー企業で働きたい人。
幅広いクラウドサービスを学び、キャリアの選択肢を増やしたい人。
グローバルに通用するクラウドスキルを身に付けたい人。
今後のクラウドエンジニアの役割
1. プログラミングの自動化と変化
プログラミングの多くは自動化されると予測されていますが、クラウドインフラの設計や管理は引き続き人間の役割として重要です。
2. インフラエンジニアの需要
AzureやAWSのインフラを管理できるスキルが重要視されます。特にAzureとAWSに対応できるエンジニアは、さまざまな業界で需要が高いです。
3. 業務設計エンジニアの台頭
クラウド技術を活用して業務プロセスを効率化する業務設計エンジニアの役割が増えています。AIやクラウドを利用した業務の最適化が求められる時代において、ビジネスプロセス全体をデザインできる能力が重要です。
学び始めるためのステップ
公式トレーニングを利用する
Azure: Microsoft Learn(無料トレーニングとチュートリアル)
AWS: AWS Educate、AWS Training
初学者向けの資格を取得する
Azure Fundamentals(AZ-900)
AWS Certified Cloud Practitioner
ハンズオンで実践する
クラウド環境を実際に使ってみる。
小規模なプロジェクトを通じて実務に役立つスキルを習得する。
コミュニティに参加する
AzureやAWSのエンジニア向けイベントやオンラインフォーラムで情報交換。
まとめ
AzureとAWSはそれぞれ異なる強みを持ち、初心者にとってどちらも学ぶ価値があります。自分のキャリア目標や働きたい業界に応じて、まずはどちらか一方を学び始めるのが良いでしょう。その後、余裕があればもう一方のプラットフォームにも挑戦し、クラウドエンジニアとしてのスキルセットを広げていくことをおすすめします。
生成AIの発展と歩を合わせるようにクラウド技術はますます進化しており、エンジニアの役割も変化しています。この流れに対応するために、まずは一歩を踏み出し、自分の可能性を広げましょう。
参考記事:AIエンジニアが選ぶおすすめ転職サイト・転職エージェント