生活の中で時間に余裕ができると、「何か勉強でも始めようかな」と考えるエンジニアの方もいると思います。休みの日に勉強するエンジニアは本当に立派です。エンジニアの高い市場価値は、日々の努力の積み重ねの結果です。

僕も統計学の勉強を再開ました。機械学習とはまた少し違う分野を学ぶことで、自分のスキルを引き出しを増やし、今後の仕事に役立てたいと思っています。

勉強継続には学習目的の明確化が不可欠

ただ「勉強が大好き!」と言う人は少ないでしょう。僕も別に好きじゃないです。Twitterを見たりYouTubeを見たりPUBGで遊ぶ方がよっぽど好きです。
特に、これまでなじみのない分野を学ぼうとしている方は、継続のハードルが高いと感じているのではないでしょうか。僕もゼロから機械学習を独学で学んだときは、勉強の継続が難しかったです。

勉強を続けるコツは、学ぶ目的を明確化することではないでしょうか。「世の中で流行っているから機械学習を学ぼう」と思っても、続けることはなかなか難しいです。

そしてエンジニアが勉強する目的は、大きく4つに分かれるのではと感じました。今回はその内容をシェアしたいと思います。

参考記事:大学不要?人工知能(AI)を独学で勉強する方法

エンジニアが勉強する4つの目的

エンジニアが勉強する目的は、「直近の仕事に必要かどうか」と「未来の仕事に必要かどうか」の2軸で整理できるように思います。それぞれ解説します。
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①仕事とは無関係な勉強「趣味・教養」

仕事と無関係な勉強は、「趣味・教養」と言えます。エンジニアだからと言って、技術以外の勉強が不要と言うわけではありません。幅広い教養は、あなたの視野を広げる手助けになるはずです。

YouTubeで「宇宙」や「自然」で検索すれば、ロマンあふれる動画がたくさん出てきます。小説を読めば、他人の人生を疑似体験できます。特に歴史小説はおすすめです。今の自分の課題や悩みが小さく思えるメリットがあります。

日々論理的思考で左脳を酷使するエンジニアも、たまには右脳を使ってバランスを取ることも必要でしょう。役に立つことだけが価値ではないです。アフターコロナの世界は、心の時代になるでしょう。

②現在の仕事に必要「現状維持」

直近の仕事で必要な勉強は、「現状維持」と言えます。次に参画するプロジェクトで利用するフレームワークを触ってみたり、プログラミング言語を習得することです。会社から情報処理の資格取得を指示された場合も含みます。

技術が絶え間なく進歩する以上、キャッチアップの勉強はエンジニアの宿命です。避けることもできますが、現状の年収は維持されないかもしれませんし、プロジェクトに居場所がなくなってしまいます。

会社員であれば、業務時間に勉強時間を確保できたり、研修に行かせてもらえるかもしれません。うまく活用しつつ、キャッチアップしていきましょう。

③未来の仕事に必要「仕事の獲得」

今の仕事で必要ないけど未来の仕事に必要な勉強は、「新しい仕事の獲得」と言えます。WebエンジニアからAIエンジニアに職種を変える、SEからセールスエンジニアに転身するためにプレゼンの勉強をするなど、未経験の職種に転身するための勉強です。また起業や独立の準備も含まれるでしょう。

あなたが乗っている船がもう少しで沈没するところをイメージしてください。そのまま行くと、船と共に沈んでしまいます。隣の船に乗り換えるためには筏が必要です。その筏を作ることが学習の目的です。

最初は大変かもしれません。筏を作っているときに、同じ船員から文句を言われるかもしれません。不格好な筏で泳いでる姿は、バカにされるかもしれません。沈没したらどちらの船からも大いに笑われるでしょう。
  
しかし笑いたいやつには笑わせておけばよいのです。あなたが知恵を絞って筏を作り、バタ足で泳ぐことで足腰が鍛えられます。その知恵と足腰こそ、これからの時代を生き抜く最大の武器です。

参考記事:転職エージェントにボコボコにされて未経験からAIエンジニアに転職した話

④今の仕事でも未来の仕事でも必要「専門性強化」

今の仕事でも将来の仕事でも必要な勉強は、「専門性強化」と言えます。AIエンジニアが数学を学んだり、ITエンジニアが情報工学の大学院に進むなど、専門分野を深める勉強です。

②の「現状維持」と異なるのは、学ぶ対象に普遍性がある事です。専門分野の看板を掲げる以上、表面的な知識だけではなく、より深く専門分野を理解している必要があります。

またプロジェクトマネージャを専門にする人が、ドラッカーや開発手法・管理手法を学んでマネジメント能力を高めるという事もあるでしょう。「技術」を軸とするか「マネジメント」を軸にするか、エンジニアのキャリアはこの2つが大きな方向性と言えます。


統計資格の勉強を例にあげてみます。
「統計学面白そう」と思って始めたら①ですし、会社から「統計の資格を取れ」と言われたら②になり、「将来データサイエンティストになりたい」と思って学ぶなら③となり、現役データサイエンティストが過去の経験値を整理するためなら④になります。

あなたは「何のために学びますか?」

「何のために学ぶのか」を意識することで、勉強の学習意欲は変わってきます。また勉強の方向性も変わってくるでしょう。
(とにかく効率重視で短期間で一気に学習するか、着実な実力アップのためコツコツ学習するかなど)

いずれにせよ、休みの日に勉強するエンジニアは本当に偉いと思います。正直ほとんどのエンジニアは家で勉強などしていないでしょう。
SNSやゲームの誘惑に負けず、新しいことを学ぶあなたの成長意欲が、将来実を結ぶことを祈っています。

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