未経験からAIエンジニアに就職したい人に向けて、自分の体験談を交えて解説します。

転職エージェントから言われた言葉

新卒で入社した会社で、ずっと企画の仕事をしてきました。
企画職とは、顧客やユーザーにヒアリングして「困ってること」を聞き出し、自社で解決できそうな課題を選んで具体化する仕事です。

「問題発見」と「問題解決」を一緒に行うところがポイントで、いろいろ仮説を立ててひたすらリサーチを繰り返していました。辛い局面もありましたが、好奇心が強い方だったので、新しいことを調べたり新しい人と会うことは楽しかったです。
(某社の2年目社員に完全論破されたり、某社の女性マネージャーに詰められたこともすべて良い思い出です)

様々なプロジェクトの立ち上げから撤退まで、いろいろ経験できたので、多少の自信がついてきました。なので漠然と「今なら好待遇で他社に転職できるのではないか」と思い、転職エージェントに申し込んでみました。

初めての転職エージェントとの面談です。そこでエージェントに言われたことは忘れられません。

「PL責任を負ったことがなければ、実績として高く評価できない」
「現在と同等の年収ならば求人の紹介はできるが、大幅な年収アップは不可能」
「今のマーケット環境で大幅な待遇アップが見込めるのはエンジニアのみ」

淡い期待をもって(もしかしたら年収1000万円行けるかもとか)、転職エージェントと面談したものの、自分のキャリアはたいして高値がつかないことが分かりました。そしてなにより自分の中に合った、エンジニアへのコンプレックスが強く強く刺激されました。

他社に企画の話をしても、自分で作れない人間は相手にされないんですよね。プロトタイプを見せて、始めて話を聞いてもらえることを何度も体験しました。
(プロトタイプは開発の人に作ってもらいました)

この体験が、僕がエンジニアを目指した原点です。当時人工知能ブームが起こりつつあるときでした。これまでのキャリアを捨てて、エンジニアの最高峰?である「AIエンジニア」になろうと決意したのです。

AIエンジニアになったら年収が倍になった

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それからAIエンジニアに転身し、キャリアを積みました。プログラミング経験ゼロ、機械学習の知識ゼロからのスタートです。最初は何もわからないため、必死で勉強するしかありませんでした。

当時出版されたばかりの、「python機械学習プログラミング」という本を精読し、コードを写経していきました。なかなか難しい本で挫折しそうになったのですが、この本は「はじめに」がとても素晴らしいのです。引用します。

知識は学びによって得られる。その鍵となるのは私たちの熱意である。そして本当の意味で技能をマスターするには、練習あるのみである。その先にある道のりは平たんではないかもしれないし、テーマによっては難しいものがあるかもしれないが、この機会を逃さず、その実り多きゴールに向かって進むことを願っている。

筆者と一緒に旅するつもりで、僕はこの本を何度も読み、少しづつ理解していきました。



※去年第2版が出版されたようです。

気付いたことは、企画職は、マーケットに対して試行錯誤を繰り返す仕事でしたが、AIエンジニアはデータに対して試行錯誤を繰り返す仕事だという事です。分野は変わっても、帰納法的な思考プロセスはあまり変わらないと感じました。

職種を変えることはリスクのようですが、そこから共通項を見出して、自分の血肉としていくことで新たな成長の道筋が立つと感じます。加えて、2つの分野を掛け合わせることで、自分独自のポジションが生まれ、大きく差別化が図れる効果もありました。

また環境を変えるという事も、成長スピードを高めます。新しい環境にいると、自分のこれまでの常識と異なる意見を受け入れなければならない場面が出てきます。そうやって自分の常識を外部の意見と戦わせていく中で、自分自身のキャパシティが広がっていくことを感じました。

人間居心地がよくなってしまうと、思考停止してしまうのです。なぜなら、居心地のよさとは、自分が出来る仕事をしているからであり、自分が出来る仕事というのは、脳がすぐに処理できるからできているのです。つまり、新しい情報や思考なしに仕事が進んでいるので、そこにはもはや成長はありません。単純作業を積み重ねているだけです。

成長とは、自分がすぐに回答できない問題に対し、様々な情報収集や試行錯誤を行う中で、達成されるのではないでしょうか。そうやって自分の頭で考えたものをアウトプットと呼ぶのだと思います。

AIエンジニアに転身した結果、僕の市場価値は、企画職時代に転職エージェントに提示された額面の2倍以上になりました。
プログラミング経験ゼロでも、機械学習の知識がゼロでも、AIエンジニアになれるということを僕なりに証明したつもりです。
もしこの記事を見ている人の中にITエンジニアやプログラマーの方がいれば、その人は当時の僕より数歩先に進んでいます。僕が最も苦労したのは、プログラミングのスキルでした。

参考記事:未経験からAIエンジニアになる方法

転職エージェントは自分に合う人を見つけるべき

前述した転職エージェントは、僕に大きなきっかけを与えてくれました。しかし、その転職エージェントは、こちらの話をほとんど聞かず、上から目線でマウントしてくる人でした。

その人は、確かに実績はあるのかもしれません。実際にいろんな賞を取られているようでした。しかし、僕はどうしてもその人が好きになれませんでした。
賞を取っているという事は、転職実績の数が多いという事ですが、逆に言うと求職者に合った企業を探すより、一刻も早く転職させることに重きを置いているとも言えます。

ただすべての転職エージェントが数ばかり追っているわけではなく、3社目でお会いした転職エージェントは、人間的にも誠実でとても有益なアドバイスを頂き、僕のAIエンジニアのキャリアの方向性を決定づけてくれました。

今でも数ヶ月に一度くらい会って、キャリアのフィードバックをもらっています。僕にとっては、キャリアのかかりつけ医です。仕事で迷ったり悩んだときは、相談に乗ってもらえる人がいるのは心強いです。

転職エージェントは、本当に玉石混交だと感じます。個性もバラバラです。最初の上から目線の転職エージェントが悪いとは言いません。実際に僕のキャリアにとって、有益なきっかけをくれました。ただ人間には相性があります。またできることならば、本当に自分のキャリアを考えてくれる転職エージェントを選びたいと思うのです。

個人差があるので、どの転職エージェント会社が素晴らしいとは一概には言いにくい部分もあります。しかし、会社の方針、エージェントへの人材育成、求人の質など、転職エージェント会社間の優劣は明確にあると感じます。

ちなみに転職エージェントについては、記事でまとめています。
【人工知能業界】AIエンジニアが選ぶおすすめ転職サイト・転職エージェント

記事でも書きましたが、個人的に『マイナビエージェント×IT』は特におすすめです。マイナビは、10年先のキャリアプランを考える方針で運営しており、求人者に寄り添った転職エージェント事業者だと感じます。

また、離職率の高い企業や労働時間が長い企業などの情報を聞くことが出来ます。表面的な業界知識だけではなく、職場環境や会社の雰囲気について情報収集している数少ない転職エージェントです。

現職がITエンジニアの方はもちろん、20~30代前半で未経験からAI人材・AIエンジニアを目指す方に自信をもっておすすめできます。

  

エンジニアの価値はさらに高まるのでうまく会社を利用しよう

たとえどんな素晴らしい転職エージェントがついても、自分のキャリアを決めるのは自分しかいません。テクノロジーの進歩で業界のルールが変わり、市場価値が大きく棄損しても、誰も責任を取ってくれませんし、会社も守ってはくれないでしょう。

であればせめて、自分が興味がある仕事を選ぶべきだと思います。つまり自分のキャリアの軸です。仕事が楽しければ人生は素晴らしいものになるでしょう。

「会社から仕事が割り振られるため選択の余地がない」と言われるかもしれませんが、まずは会社に、自分のやりたいことを伝えるところから始めてみてはいかがでしょうか。その提案が会社にとってメリットのある話ならば、きっと耳を傾けてくれるはずです。

会社とあなたは雇用契約を結んだだけの存在です。あなたと会社は対等です。この観点だけは頭に入れておいてください。会社に対し、「絶対にこの仕事がしたい!」と主張する図々しさも時には必要でしょう。

また、自分の市場価値を高めるためには、戦略的に仕事を選ぶことも必要になります。つまり、自分がどこで戦うかは、「世の中の変化」や「需要と供給」を見定めて選ぶことです。AIエンジニアは、そのためのベストな選択の一つなはずです。

僕自身、AIエンジニアに職種を変えて、本当に1mmもまったく後悔がありません。
日々好奇心が満たされるので仕事はとても楽しいですし、人工知能で世のライフスタイルの変革を推進できることに充実感を感じます。なにより特等席で、この人工知能ブームから続く情報革命を見ることが出来ることは大きな喜びです。

今本当に個人の価値観や存在感が変わっていっていると感じます。ただ組織の変化は個人の変化より遅く、今まさに企業が変わろうとスタートを切っています。大企業が次々を打ち出す、人工知能のPOCのプレスリリースは、企業がもがき苦しんでいることの証左ではないでしょうか。

エンジニアの価値は、これからますます高まるでしょう。クラウドサービスやライブラリの充実で、エンジニアの価値には大きくレバレッジがかかっているからです。年々この流れは速くなり、ソフトウェアの知識の価値はこれから何倍にもなるでしょう。

個人的な願望も含まれますが、優秀なエンジニアが10人集まれば、すぐに時価総額100億円くらいに評価されるような時代がもうすぐ来るように思います。
政府の「働き方改革」や人材不足によって、労働環境もさらに整備され、業界の成長と共にエンジニアが成長できるフィールドがこれから広がってくるのではないでしょうか。