AIエンジニアは、最も将来性が高い職業の一つでしょう。データを使って科学する仕事は楽しいです。しかし、現役のAIエンジニアにも様々な悩みがあったりします。

「優秀な人材と働きたい」「LLMの研究をしたい」「自分の専門分野を深めたい」などです。

組織の論理から脱却し、自分のキャリアをコントロール性をどうすれば高めることができるのか、現役のAIエンジニアが検討してみました。

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生成AIの社会実装を担うAIエンジニアは極めて稀少で需要が高い

ChatGPT以降、生成AIは一気に注目を集めています。しかし、この技術が世の中で活用されるには、高度な専門知識と運用経験を持ったエンジニアの存在が欠かせません。

生成AIを社会実装するためには、ユースケース設計から始まり、RAGを始めとするアーキテクチャ設計、LLMモデル選定とチューニング、評価指標の設計と検証、MLOpsなど多岐にわたり、生成AIの検証から実システムへの導入を担うAIエンジニアは極めて稀少かつ需要が高いです。加えて、技術トレンドのキャッチアップが宿命のため、好奇心がないと辛い仕事でもあります。

世界的にも、生成AIのインテグレーションをリードできる人材は極めて稀少だと思いますが、間違いなく需要があります。業務の特性上、企業内の機密データを扱うことが多いため、副業案件があふれるほど多いというほどではないですが、副業で稼ごうと思えば、その機会はかなり多いです。

これからのAIエンジニアは専門性が求められる

一方、現役の第一線にいる機械学習エンジニア・データサイエンティストから見ると、少し面白くない流れになっているのではないでしょうか。

プラス面では、生成AIやDXブーム全盛で注目度が高まった結果、AIエンジニアの市場価値が高まり、たくさんの案件や求人が来ていることです。AIエンジニアはベンチャーから大手企業までどこもモテモテです。ヘッドハンタ―からたくさん声がかかる人も多いでしょう。ちょっとした異世界チート主人公です。

日本を代表する大手IT企業が、こぞってAIエンジニアに年収3000万円やら4000万円を用意しました。従来の年功序列の日系企業では、考えられないことが起きています。

一方、業界に多くの新規参入者が増えました。20代の若手社会人から目指す層と、大学院の情報系から進む層の2極化の様相を呈しています。

当然ながら、既存のAIエンジニアと新規参入した新米AIエンジニアで椅子取りゲームが起こります。もちろんデータサイエンス領域では新米AIエンジニアに負けないでしょうが、生成AIのキャッチアップのスピードに、20代のAIエンジニアに勝つことは難しいかもしれません。

今のブームに浮かれていると足元をすくわれてしまう可能性があります。もちろん私自身の自戒を込めてです。ブーム終息後にも生き残るためには、自身の専門性を深め差別化することが求められるのではないでしょうか。

「マルチモーダルでのRAGが得意」「製造業界のデータ分析に詳しい」「顧客課題の整理から運用環境のデプロイまで一人称で出来る」など、自分の看板を掲げる出来れば、他のAIエンジニアより一歩抜け出すことが出来ます。そして、専門分野を深めるためには、実案件で磨くことが最も近道です。

そのため、キャリアが深まれば深まるほど、自分の手で案件を選別することが必要になってきます。どんな案件でも成長できるのは、新米AIエンジニアのうちだけです。

しかし、自分の専門性を活かせる案件が、社内で見つからない場合もあるでしょう。他社に専門性を磨ける職場があれば、そちらに週1、2日で働くような働き方が求められるはずです。

ステージ別AIエンジニアの転職活動・転職エージェント

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AIエンジニアのステージを図解化してみました。ステージ別にキャリア戦略と転職活動を解説していきます。

①未経験⇒新米AIエンジニア

未経験者は機械学習の知識の習得後に、一刻も早くAIエンジニアとなり、実務経験を積むことが目的です。

ポテンシャル採用では、やる気や志望理由が問われます。やる気は、これまでどのくらい勉強してきたかに現れます。面接では、これまでどのようにAIを勉強してきたかを話しましょう。

データサイエンスと呼ばれる領域(統計・機械学習)は、独学でも研修でも良いので、地道に身に付けるしかありません。おすすめは、会社にお金を出してもらって2日以上の研修に参加することです。1日の研修は概論で終わってしまうため、あまり意味がないと感じます。

資格をアピールする場合は、「統計検定2級」がおすすめです。未経験からですと2ヶ月程度の学習が必要ですが、教材は過去問と統計WEBで合格できます。3級はアピールにならず、準1級はかなり難しいです。

もしあなたがプログラミング経験者であれば、未経験からAIエンジニアへの転身は十分可能でしょう。Pythonが扱えれば実案件に入ってもなんとかなります。特に、数式に抵抗感が少ない理系出身のITエンジニアは非常に有利です。数学科ならなお良しです。実感を持って言えます。

②新米AIエンジニア⇒一人前AIエンジニア

AIエンジニアとして、給与アップ、待遇改善、超大企業への転職が目的です。

経験者採用は実績を問われます。まずは現職で基礎スキルを身に付けつつ、自分の興味ある専門分野を探していきます。ある程度基礎が身についてきたならば、より良い待遇を求めて転職活動を行いましょう。

面接では、どのように実案件に貢献してきたか、技術力や提案力をアピールします。課題設定の経験や業務知識が豊富な場合、知見のある業界への転職がベストです。ただ、その業界に飽きていて知見のない業界に転職する場合は、Deep Researchなどで業界研究して、業界の共通項を発見しておくと迫力が出るでしょう。リーダークラスの転職なら、5人以上のメンバーをリードした経験があると強いです。

転職エージェントは、サポートが非常に手厚いマイナビ IT AGENTがおすすめです。
マイナビは、10年先のキャリアプランを考える方針で運営しており、他社の転職エージェントと比べ、利用者の満足度が極めて高いです


③一人前AIエンジニア⇒複業AIエンジニア

副業で収入を多様化しつつ、自分の専門領域の案件に参画することが目的です。

副業を持つことで、収益が多様化しますし、専門性を磨く機会を得ることが出来ます。また、自分自身の売り物になるスキルを肌で理解できます。

副業やフリーランスでの受注のコツは、過去の経験の中で再現性のある部分を整理することと、得意分野の看板を掲げることです。「RAG・AIエージェントの知見」「マルチモーダルAI」「マーケティング領域に強い」など、自分が好きな領域を定め、生成AI含めた最新の論文も読んでおけばアピールになるでしょう。

またこのステージになると、転職活動と言うより、自分自身という商品を営業するという色が濃くなります。なので、例えば生成AIでしたら、「生成AIをいろんな領域と掛け合わせることで起こる意外な化学反応が楽しい」など、自分なりの価値観や面白エピソードを言語化しておくと受注確率が高まるでしょう。

まず副業で土日に案件をこなしつつ、十分な実績を積めた段階でそのままフリーランスとして独立する道も可能です。いわばAIエンジニアは副業と言う形で、お金を貰いながら社会見学が可能です。AIエンジニアが、最小リスクでフリーランスとして独立できる道が舗装されてきています。

副業からフリーランスへの転身時期の目安としては、「フリーランスエージェントから準委任契約(成果物の完成責任がない)で月単価80万円以上の案件を紹介して貰える」なら、専業フリーランスに転身しても問題ないと思います。

ちなみに、AIエンジニアは優秀な人が多いので、紹介などで自分で案件獲得できる人もいます。確かにフリーランスエージェントは、数十%程度の仲介手数料がとられるため、エンジニアに入ってくる収入が減ります。また、直接契約がNGであることも多いため、契約の自由が絞られます。

ただ、エンジニアデータバンク という副業・フリーランスエンジニアプラットフォームは、仲介手数料は0%で、エンジニアの収入が減りません。また、クライアントとの直接契約が可能なため、条件交渉の自由度が増し、顧客との関係を直接築けます。

実体験ですが、案件を複数こなしていく中で、相性の良い会社、仕事の進め方が心地良い発注者と会うことがあります。その際に、仲介者を入れず直接契約を結ぶことで、双方が納得感を持って長期的な仕事ができるのだと思います。

エンジニアデータバンク は、週1からの副業案件や、週3からのフリーランス案件があり、案件以外にもナレッジシェアのサービスがあるので、登録することをお勧めします。


AIエンジニアの価値は未知への試行錯誤

米国ならともかく、現在の日本で優秀なAIエンジニアが一つの職場で働くのはもったいないと感じます。なぜなら、「同一役職・同一賃金」の日本では、希少性の高い技術を持ったAIエンジニアが、高収入を得られる会社はまだ少数派だからです。

これから変わってくると考えられますが、世の中が移り変わるまで、自分の専門性と言う武器を磨くことが重要だと感じます。

AIエンジニアは、ただでさえデータに対して日々試行錯誤しているにも関わらず、新しい職業故に周囲の理解が低く、苦労されている方もいると思います。開拓者の道は厳しいです。

しかし、惰性はすでに保守であり、保守は人を腐らせていきます。成長とは、新しい仕事に挑戦することの中にあるのではないでしょうか。

日々成長を続けるAIエンジニアが時代の流れに乗ることで、大きなリターンを得ることが出来ると確信しています。AIエンジニアの価値の源泉は、未知への試行錯誤の積分値だからです。