「AIエンジニアになりたいけど、自分に合った企業の選び方が分からない」という声を頂きましたので、記事にまとめました。

人工知能市場は大企業中心に伸びている

AIブームが起きた理由は、ディープラーニング周辺の技術が進歩してできることが増えたので、特に大企業がAIを導入したがっているからです。

現在の人工知能市場を4つに分類してみました。
人工知能2
AIブームが起きる前の市場では、統計解析など枯れた技術を使って、データ分析を行う仕事がメインでした。発注側の顧客も比較的データ分析のリテラシーが高い顧客が多かったです。

そこに彗星のごとく現れたディープラーニング技術の発達により、実現できる機能が増えたことで、これまで機械学習に興味がなかった顧客層(主に大企業)のニーズが一気に顕在化しました。

ではなぜ大企業がAIを活用したがっているのでしょうか。理由は2つあります。
①データをたくさん蓄積しているがうまく使えていないという課題感があったから。
②AIによる売上アップやコスト削減のメリットが大きいから。


結果的に、大企業中心に人工知能の実証実験が進んできています。プレスリリースを追い続けるだけで一日が終わってしまうレベルです。日本という国は、大企業が動けば社会が大きく動くようになっているんですね。

極論すると、人工知能や機械学習は大企業のための技術です。そのため現職のAIエンジニアの大半は、大企業に所属するか大企業向けの仕事をしています。

またAIブームと言われていますが、これは一過性の動きではなく、世の中の潮流であることは間違いありません。世の中に出されているほぼすべての市場規模予測では、人工知能市場は2030年まで急激な成長を続けると算出されています。

人間の知能を代替するAIは、これから世界の経済活動の主力になります。過去10年間、技術進歩が速く収益に直結する企業のIT戦略は、経営戦略と同等に位置付けられるべきだという議論がなされてました。

これからの経営戦略は、ますますAI戦略が重視されるでしょう。経営上重視されるという事は、それだけ予算も確保されて資本が投下されるという事です。その予算を使って企業活動を推進するのは、今を時めくAIエンジニアの方々です。

AIエンジニアの数はまだまだ圧倒的に足りてない

経済産業省は、ビックデータや人工知能に関わる先端IT人材は、2020年に4.8万人不足すると予測しています。 日本の大企業の数が約1万社ですので、単純に割ると1社あたり5人程度足りない状況です。

もしかすると「これだけ人工知能ブームが進んでいるので、AI人材もかなり増えたのではないか」と思われる方もいるかもしれません。

確かにAIが分かる人材が増えているのは間違いありません。一部の大企業では、AI人材の再教育を行っており、AIエンジニアを育成しています。また、外部研修や良質な教材も増えてきました。

しかし、周囲を見ていての実感なのですが、AIについて何となく知識がある人はそれなりに増えたものの、AIをプログラミングできる人材はまだまだ非常に稀有な存在ということです。

AIエンジニアを目指して勉強している人は、東京中心にかなりの数がいます。しかし、課題になっていることは、AIの中核技術となる機械学習の難しさです。

プログラミングとポジション獲得がAIエンジニアの最短コース

機械学習の理論を理解には、高度な数学の知識が必要です。数学が苦手な人はもとより、数学が比較的得意であってもSVMやロジスティクス回帰を完璧に理解するためには時間がかかってしまいます。

加えて機械学習を作るためには、pythonなどのプログラミングのスキルが必須です。これは強調したい部分です。AIを学びたいと言ってプログラミングを避けていては、いつまで経っても実務に関わることが出来ません。極論すると、機械学習とは即ちpythonのプログラミングなのです。

つまり、機械学習の理解が大変難しいこと、加えてプログラミングのスキルも求められ、必要な知識が多岐にわたるため、AIエンジニアを目指す人は多くとも、実際にAIエンジニアとして求められる水準に到達する人は稀有な存在となっています。

参考記事:AIエンジニアが教えるゼロから機械学習の勉強法

また、AIを独学で勉強をしている人が、AIエンジニアの仕事を選ばず、結局趣味でAIを触っているという事も見られます。仕事でAIを使わなければ、せっかく身に付けたAIの知識を強化できません。それどころか忘れていってしまいます。
AIを独学で学ぶような非常に優秀な方が、AIの仕事をしないことは控えめに言って国家的損失だと思います。

そのため、本ブログでは一貫して、「機械学習の理論はさらっと学び、あとはpythonと機械学習ライブラリの習得とAIエンジニアのポジションの獲得に全力を注ごう」と何度も主張しています。

現職がITエンジニアの方であれば、機械学習の知識がゼロでもハードルはそこまで高くありません。

参考記事:未経験からAIエンジニアになる方法

AIエンジニアの求人の選び方

最近のAIエンジニアの求人の特徴は、3つに分かれます。

①大手メーカーがAI開発を内製するためAIエンジニアを採用する求人
②IT企業やデータ分析専業企業などベンダ系企業の求人
③インターネット企業などAI開発を内製するためAIエンジニアを採用する求人


①の大手メーカーの求人ですが、AIエンジニア職の枠でも正直入社難易度はやや高いように感じます。しかし、AIエンジニアの供給が少ない事もあり、今後ハードルが下がってくると予想されます。
これまでは自動車メーカーや電機メーカーがAIエンジニア採用の主力でしたが、業種の幅が広がってきています。

やはり大企業は、まだまだ高給で福利厚生も手厚く、安定感があり、周囲の人材レベルも高いです。毎日安心して働けるという事は、何物にも代えがたいものです。大企業に入りたいAIエンジニアの方にとって、今からチャンスが多くなってくると思われます。

②のIT企業やデータ分析企業の求人もかなり多いです。もしAIエンジニアとして腕を磨きたいと思われる方は、老舗のデータ分析企業が一番おすすめです。周囲のレベルが高いため、非常に短期間でAIや機械学習の知識を身に付けることが出来ます。また、1社だけではなくいろいろな会社の案件に関われるので、得られるスキルの幅も広いです。

現在20代のITエンジニアの方でAIエンジニアを目指す方は、データ分析専業の会社を目指すことを強くお勧めします。

③インターネット関連の企業も、多くのデータを保有しているため、AIエンジニアを採用しています。人材レベルと待遇はとても高いです。腕に覚えがある方は目指してみても良いかもしれません。

自分の周りにどれだけ優秀な人がいるかで、成長速度は大きく変わってきてしまいます。

そのため、妥協せずに求人先を吟味することをお勧めします。
マイナビ  

転職サイト選びのコツ

転職サイト選びは大事です。なぜなら転職サイトによって得意な業界が異なるためです。また転職サポートも異なってきます。

転職活動は、転職エージェント経由で行われます。転職エージェントとは、あなたの代わりに企業を探し、あなたの代わりに企業に売り込んでくれる人のことです。転職希望者は無料で利用できます。そのため、どんなエージェントにあたるかによって、転職の成功可否を決めてしまう部分があります。

もしあなたが、「AIエンジニアになりたい」「AIに関わる仕事に就きたい」という要望が明確にある場合、転職サイトの選ぶポイントは一つだけです。

ITや人工知能業界に詳しい業界特化型の転職エージェントを選ぶこと

理由は3つあります。

①業界に詳しい転職エージェントから有益なアドバイスを得られるから

人工知能をほとんど知らない転職エージェントに、AI業界の転職サポートは難しいです。的外れのアドバイスを受ける危険性もあります。

そのため、AIエンジニアがどんな仕事をしているか、またどんな企業で求められるか、きっちり理解している転職エージェントと付き合うことが必要です。転職エージェントから、業界動向を聞くだけでも勉強になります。

②業界特化型の方が大手より求人数が多いケースもあるから

実は、AI業界という明確な線引きはまだ存在していません。IT企業でAI部署を立ち上げていたり、これまでデータ分析専業で取り組んでいた会社が、新規にAIに取り組んでいたりします。

そのため、業界に根を張っている業界特化型転職サイトの方が、こういった新しい情報をキャッチしており、AI関係に限れば大手よりも案件が多いこともあります。

③高収入の非公開求人が多いから

世の中に出回っている求人の他に、ある特定の転職エージェントだけに伝える"非公開求人"という案件があります。

非公開求人は、新規事業など極秘のプロジェクトの人材採用であったり、「AIエンジニア」のような、高スキルの人材をピンポイントで採用したい場合に利用されます。この時、業界を理解した転職エージェントに依頼されることが多いです。

そして非公開求人は、条件面が恵まれた高収入の案件が豊富です。

転職サイトを利用する時期は?

また、転職サイトの登録は、転職を考え始めたらすぐにでも登録しましょう。転職サイトは在職中から使うべきです。1社あたり3分で登録できるので、やる気がある今のうちに登録しておくことを推奨します。

転職サイトの求人には期限があり、募集する必要がなくなったら終わりです。求人の入れ替えがあるわけです。早めに転職サイトに登録して、求人情報を眺めてみてください。すると、いくつか気になった企業が出てきます。

そうやって自分の気に入った企業リストを作成してみてください。すると自分がなりたいキャリアの方向性がだんだんと明確になってきます

また転職エージェントやキャリアコンサルタントとは、定期的に話を聞いておくことがおすすめです。あばたの市場価値がどの程度か、今の会社で市場価値を高めるにはどんな仕事をすべきなのか、アドバイスをしてくれます。

私たちは、健康を維持するためにプロである医者のアドバイスに従います。であれば、キャリアを積み上げるためには、キャリアのプロにアドバイスを求めるべきではないでしょうか。もちろん盲目的に従うのではなく、あくまでアドバイスの一つとして聞いておくのです。

私も、お抱えの転職エージェントから定期的にアドバイスを貰っています。自分の考えを他人に話すと、不思議と自分の考えはまとまってくると感じています。

機械学習のスキルを身につけてAI業界に転職する方法

人工知能プロジェクト案件に、早期に参画することを狙います。

そこでまず目指すべきゴールは、pythonと機械学習ライブラリを使ってプログラミングが滞りなくできるところです。ITエンジニアの方にとって、pythonの習得は大きな問題にはならないでしょう。

「機械学習の理論をしっかり身に付けてから機械学習の仕事をしたい」と思われる気持ちは分かりますが、そんなこと言っているとあっという間に定年を迎えてしまいます。まずはpythonと機械学習ライブラリの習得に全力を尽くしましょう。

機械学習の知識にしても、プログラミングを実践で開発しながら、いろいろ調べていった方がはるかに学習スピードは速いです。


そして当たり前の話ですが、あなたが今取り組んでいるAIや機械学習の勉強は、AIエンジニアとして仕事を得ることで実を結びます。そのため、ポジションの獲得も視野に入れて欲しいです。

おそらく、AI人材の採用を本格化するのが2018年度後半からでしょう。大企業のPoCが一巡して必要なスキルセットを理解し、人材戦略に落とし込めるようになるのがそのあたりだからです。

今のうちに転職エージェントに相談しておけば、良いAI案件に関われる可能性があります。

なお、AIの活用案件は、やはりIT業界やウェブ業界に多いため、テクノロジー業界に特化した転職エージェントがおすすめです。

特に20~30代で未経験からAIエンジニアを目指す方には、マイナビエージェント×ITをおすすめします。

  


Excelと同じような感覚でAIが利用され、社会に浸透していく現在、生き残る方法は人工知能が出来ない仕事をするか、人工知能を作る仕事をするかです。

会社は絶対にあなたのキャリアを守ってくれません。あなたの生存確率を高めることが出来るのはあなた自身だけなのです。