目次
1.AIエンジニアの仕事内容
2.AIエンジニアに向いている人とは?
3.AIエンジニアになるメリットとは
4.AIエンジニアの将来性とは
5.AIエンジニアに必要なスキル
6.AIエンジニアになるための勉強法
7.AIエンジニアになるため大学は必要か
8.AIエンジニアを目指しプログラミングスクールに通うべきか
9.AIエンジニアになる方法はAIエンジニアの仕事をすること
10.AIエンジニアに未経験から転職できるのか?
11.AIエンジニアの求人と選び方
12.AIエンジニアの採用は2020年度から本格化
13.AIエンジニアにおすすめの転職エージェント
14.AIエンジニアになる3ステップ
さいごに

2023年は、大企業が生成AIの実証実験に取り組んだ1年でした。プレスリリースからは、その成功可否までは分かりかねますが、現場のAIエンジニアの苦労が偲ばれるところです。

失敗案件が続き、企業の投資意欲が落ちることも懸念されましたが、日本株式会社の投資意欲は依然として高水準です。

2024年は、多くの業界で本格的に生成AIの導入が進んでいくでしょう。AI人材の不足感は、より高まります。「生成AIで何をやるのか」を決める上流工程の人材と、「生成AIの学習」を担うAIエンジニアの両方とも足りないようですが、事業会社側で生成AIの理解がそれなりに進んでいることもあり、特にAIエンジニアが足りない状況です。

事業会社のAIリテラシーは高まっているものの、AIをプログラミングすることにはまだまだ抵抗感が高いようです。そもそも日本の大企業は、情報システムの開発をSIerに外部委託している企業がほとんどのため当然かもしれません。
一方、企業のデジタル化が最重要の経営課題となり、時代の流れに取り残されないために、内製化を進める企業が増えているため、AIエンジニア(業務と技術の橋渡し人材、データ基盤エンジニア含む)の需要はとても高まっています。

本記事では、現役のAIエンジニアが、未経験からAIエンジニアになる方法を解説します。

転職の体験談:転職エージェントにボコボコにされて未経験からAIエンジニアに転職した話

1.AIエンジニアの仕事内容

AIは「データ分析の一手法」です。データから法則を見つけることができます。そのためAIエンジニア・AI技術者の仕事内容は、「AIを用いてデータを分析し、企業の収益に貢献できる方法を見つけること」です。

これまでのシステム開発では、SEが仕様を固め、プログラマーが仕様通りにプログラムを作っていました。
一方、AIエンジニアは、データから法則やルールを見つけ出すことが仕事です。つまり、プログラミングスキルに加え、実験的な試行錯誤が求められます。成果物は、「学習済みモデル」です。学習済みモデルを情報システムに埋め込むと、AIを搭載した情報システムやロボットを作ることが出来ます。

ちなみに、AIエンジニアのタイムスケジュールは、以下の感じです。

  9:30 出社してメールチェック
11:00 業務担当と打ち合わせ。データ分析で何を知りたいのかヒアリング。
12:00 昼休み
13:00 業務担当から貰ったデータを眺めてみる。グラフを作ってデータを理解する。
14:30 Pythonで前処理して学習済みモデルを作ってみる。精度出ない。
16:30 データ分析続き。前処理を変えたら精度上がったので、学習済みモデルを保存する。
17:30 業務担当向けレポート作成。分析結果をまとめる。
19:00 帰宅

AIエンジニアの仕事とは、プログラムを書くことではありません。顧客の要望に沿ったモデルを作ることが仕事です。Pythonのコードや機械学習アルゴリズムは、モデルを作るための道具です。

料理で例えると、データが食材、Pythonや機械学習アルゴリズムは調理器具です。おいしい料理(モデル)を作るためには、良質な食材と調理器具の習熟が必要です。

2.AIエンジニアに向いている人とは?

AIエンジニアの仕事は、データを分析してビジネスに貢献する方法を見つけることでした。言われたことをただ作るというより、試行錯誤を繰り返す研究開発の色が強い仕事です。

とても面白い仕事なのですが、では誰もがAIエンジニアに向いているわけではありません。向き不向きは色濃くあります。そのため、AIエンジニアに向いている人の特性を整理してみました。
人工知能ブログ画像2

未経験からAIエンジニアを目指すのであれば、最低3つ以上当てはまっていて欲しいです。2つしか当てはまらないなら、別の道を探した方がいいかもしれません。

例えばですが、もしあなたが、34歳以下で、独学で機械学習の本を読んでいて、Pythonのプログラムを抵抗感なく読めているのであれば、ぜひそのまま勉強を継続してください。

断言します。あなたには適性があります。私はそんな人材をこれまでAIエンジニアに何人も育成してきました。

3.AIエンジニアになるメリットとは

AIエンジニアは、給料がとても高いことや休みが取りやすいなど、待遇が良いことはメリットの一つです。世の中のニュースで知れ渡っているので、ご存じの方も多いかと思います。

国内における2020年のAIエンジニアの転職時の給与は、日経新聞によると700~1600万円が相場です。2019年から100万円増加しており、一般のITエンジニアより高いです。中途採用時の求人倍率は6~10倍で、転職希望者1人に6~10社の求人がある状況です。

中国のベンチャー企業では、bloombergの「日本のIT人材も海外並みの高給に?年収1億円も登場」によると、技術系人材の年収が3億円を超えるなど、非常に高額な年収が提示されています。

日本の大手企業でも、AI人材の採用がとても活発です。

・NTTドコモ:年収3000万円でAI・ビックデータのエンジニアを採用
・富士通:AI人材に3000万円から4000万円の年収を用意
・ソニー:AIのサービス開発が出来る人材を、730万円で新卒採用
・三菱電機:2020年度までに、AI人材を18年度末比で2倍超の1300人に大幅増員を計画
・日立製作所:デジタル人材を18年度末比で63%増の2000人を計画
・パナソニック:21年までに17年度末比3倍以上の1000人規模のAI人材を育てる計画

日本企業がAI人材を求める姿勢は、戦国時代の大名が鉄砲を求めるかのようです。「AI人材を確保すれば戦争に勝てる」と強く信じているのでしょう。


またAIエンジニアの職場環境は、雰囲気の良いところが多いです。
AI開発の仕事を一言で言うと、「データを元にした仮説検証」なので、職場は大学の研究室のような雰囲気です。個人の知恵や考え方を尊重する風土が出来上がっています。価値の源泉は、AIエンジニアのスキルと経験のため、会社としても尊重せざるを得ないのです。

もう一つメリットがあります。私自身AIエンジニアになって一番うれしかったことは、周囲からの評価が劇的に良くなったことです。

人工知能の注目が高まっていることもあり、いろんな人が人工知能の話を聞きたがっています。相談を持ち込んできます。多くの人が自分の意見を聞いて尊重してくれるので、承認欲求が満たされます。卑弥呼になった気分です。
人工知能ブログ画像3
ただこれは、私がすごいのではなく、ただ単に時代の流れ(=需要が高く社会的価値の高い仕事を選ぶ)に乗っかっただけです。

4.AIエンジニアの将来性とは

これまでシステム開発では、人間が設計書を書いてプログラムの機能を定義していました。一方、AIや機械学習では、データからプログラムを導きます。人間が機能を考えるのではなく、AIが機能を定義しています。

一方これまでの機械学習は、データ量が少なかったりアルゴリズムがあまり賢くなかったりと、人間を超えるプログラムを作ることは難しい状況でした。がんばっても人間と同じくらいの賢さを覚えらせることが精一杯でした。

しかし、近年のデータ量の爆発的増加とディープラーニングの進歩により、だんだんと局所的に人間の賢さを超えるAIが出てきました。画像認識(ResNet)や自然言語処理(BERT)の精度が、人間の識別能力を超えたことはその好例です。

そしてAIは指数関数的に技術的発展を遂げています。すると、人間が考えた仕様書よりも、AIが作ったプログラムの方がはるかに賢くなっていきます。グラフにすると以下の通りです。

機械学習とは10

お伝えしたいことは、人材不足感の高まりから現在のAIエンジニアの給与も悪くないのですが、今後のAIの発展によって、ITエンジニアの給与とAIエンジニアの給与差は、拡大していく可能性が高いという事です。私も現役のAIエンジニアとして働いていて、年々市場価値が高まっていることを実感しています。

これから先、仕様書の通りに開発するエンジニアと、AIを開発できるAI技術者のどちらが将来性があり、どちらが価値を生むか明らかではないでしょうか。仕事で成果を出したいのなら、成長市場の方がはるかに簡単です。キャリア設計とは、成長市場に適応することです。


5.AIエンジニアに必要なスキル

AIエンジニアになるには、4つのスキルが必要です。

①Pythonでコードが書ける

Pythonは非常に「シンプル」なプログラミング言語です。可読性が高いため、初心者でも取っつきやすいです。私の話なのですが、Javaの勉強を始めたところ難しくてすぐ挫折しましたが、Pythonでは1ヶ月でデータサイエンス系のコードが書けるようになりました。

Pythonの強みは、NumPyやPandasなど数値計算ライブラリが非常に優れていることです。Pythonに慣れることがAIエンジニアの第一歩です。

②機械学習ライブラリが使える

・NumPy, Pandas, Matplotlibでデータ操作や前処理ができる(特にPandasが重要)
・scikit-learnで教師あり学習ができる
・最新の自然言語処理、画像処理のライブラリを利用できる(最新技術のリサーチができる)

③機械学習・統計の知識がある

・教師あり学習と教師なし学習
・前処理、特徴量設計、学習と評価
・正規分布、標準偏差、分散
・相関係数、回帰分析、ロジスティック回帰
.・ディープラーニング、CNN

④機械学習の数学の知識がある

・線形代数、ベクトル
・微分
・確率

他にも、SQLやAWSなどインフラ回りの知識、自然言語処理や画像処理の知識もありますが、csvに収まる構造データを扱うならとりあえず不要です。ただ最低限必要な知識が4つもあるので、機械学習に挫折する人が多いです。

参考記事:これだけは知っておけ!PythonでAI開発の基礎まとめ

6. AIエンジニアになるための勉強方法

「機械学習」と「プログラミング」を、ゼロから独学で勉強する方法を解説します。

STEP1 機械学習の基礎知識

まずは機械学習の基礎をざっくり学ぶ。教師あり学習と教師無し学習、回帰と分類など、初心者向け解説サイトをいろいろネットサーフィンして機械学習のイメージを掴む。

初心者が一番最初に読む本は、松尾先生の「人工知能は人間を超えるか」です。機械学習や人工知能の書籍はたくさん出版されていますが、いまだにこの本を超える入門書はありません。




STEP2 開発手法の知識

機械学習の成果物である「学習済みモデル」の作り方を学ぶ。4つの工程があるので、それぞれ何をするか把握する。教師あり学習の方法論は、SlideShareやQiitaに情報が集まっている。

・データの前処理・・・テーブル結合、欠損値の補完、外れ値の削除
・特徴量の設計・・・特徴量の選択、相関係数の算出、ランダムフォレストの評価
・モデル開発・・・特徴量をディープラーニングやSVMで学習
・モデル評価・・・交差検定、混合行列で評価

STEP3 プログラミングの知識

Pythonの基礎文法と、scikit-learn、Pandas、NumPyなどPython用ライブラリのAPIの理解する。

プログラミングは慣れの部分が大きいので、paizaラーニングとかでひたすらプログラミングに触れる時間を作る。
Pythonがある程度理解出来たら、scikit-learnのコードを写経して理解していく。おすすめの書籍は「Pythonで始める機械学習」。お金がなければ、ネットのコードを写経していく。



STEP4 機械学習アルゴリズム・生成AIの知識

機械学習アルゴリズムは、決定木、ランダムフォレスト、SVMあたりを理解していく。決定木は直観的にわかるので最初に学びたい。SVMやロジスティック回帰も分類問題ではよく利用されるので理論的な部分含めて理解したい。

本丸の生成AIの知識は、最近良い技術書が出版されたので、しっかり読み込んで理解したい。一番のおすすめ書籍は、「生成AI・ChatGPTでPythonプログラミング アウトプットを10倍にする!」。著者の見識が高く、生成AIの知識が非常によくまとまっていること、手を動かしながら学べるので学習効率が高いです。


7.AIエンジニアになるため大学は必要か

「AIエンジニアになるため大学に入り直した方が良いですか」と聞かれます。

もしあなたが人工知能の研究者を目指すならば、研究機関である大学に入った方が良いでしょう。しかし、実務でAIの開発を行う「AIエンジニア・AI技術者」を目指すのならば、特に入る必要はないと思います。

もちろん大学に入ることで、先生に教えてもらえますし、一緒に学ぶ仲間が出来ますし、体系的な知識を習得することが可能です。

しかし、すべて大学でなければ得られないというわけではありません。極論すると、AIを学ぶためには、パソコンと本とネットがあればよいのです。高額な実験装置が必要なわけではないからです。

むしろ現在は、良質な本を読んだり、paizaやドットインストールなどの無料教材を見たり、Udemyなどで超一流講師のオンライン講座を受講した方が、はるかに学習効率が高いでしょう。

例はまだ少ないですが、高卒でIT業界に入ってプログラミング経験を積み、統計や機械学習を独学して、AIエンジニアに転職するという方も、これから出てくると思われます。

8.AIエンジニアを目指しプログラミングスクールに通うべきか

「AIエンジニアになるために、プログラミングスクールに入った方が良いですか」という質問を頂きます。最近は、ITエンジニアだけではなく、AIエンジニア向けのプログラミングスクールも出てきました。

私の回答としては、以下の3つの条件に全て当てはまる人は通っても良いと思います。

①何の勉強を始めれば良いか分からない人
②周囲にプログラミングや機械学習に詳しい人がいない人
③貯金がたくさんある人


プログラミングスクールの価値は、学習カリキュラムを提示してくれることと、質問できることです。「AIエンジニアになりたいけど、何から勉強すればわからない」という人は、プログラミングスクールを考えても良いかもしれません。

しかし、プログラミングスクールは何十万円もかかります。一方最近は良質な技術書が数多く出版されています。またネット上に質の高い記事がたくさんあります。

なので、高額なお金をプログラミングスクールに払うくらいなら、技術書、パソコン、ディスプレイを買ったほうがずっと良いです。もし動画で勉強したいなら、YouTubeで「機械学習」と検索すれば、いくらでも出てきます。

参考記事:AIエンジニアが教えるゼロから機械学習の勉強法

結局、最もおすすめの勉強法は、機械学習の技術書を1冊選んでその本を完璧にマスターすることです。かなり自信になりますし、実務でも十分に役に立ちます。本はあなたが気に入った本でよいと思いますが、私の場合は以下の本で学びました。


※なお「Python機械学習プログラミング」はやや難しめです。完全初心者には、6章でご紹介した「Pythonで始める機械学習」の技術書の方がおすすめできます。

とにかく、技術書を1冊完璧に仕上げることがとても大事です。良質な4000円の技術書を1冊マスターすれば、プログラミングスクールに負けない知識を得られます。料金に対する価値が本当にあるのか、自分の頭で判断することが重要だと感じます。

9.AIエンジニアになる方法はAIエンジニアの仕事をすること

AIエンジニアになる方法は、AIエンジニアの仕事をすることです。具体的には、上司に「データ分析業務をやりたい」と提案することです。

例えば現職が営業職であれば、見込み顧客の選定や、実際の営業活動、顧客管理をされているかと思います。つまり、社内に顧客データや営業データが蓄積されています。

そこで上司に、「データを分析させてください」と提言してみてはいかがでしょうか。上司は今の営業結果に満足していないはずです。営業活動のどこがネックになっていて、どうすれば収益が上がるのか提言してあげれば喜んで聞いてくれるでしょう。

例えば、エクセルで相関係数を算出するだけでもいろいろ見えてきます。
(Excelに"データ分析"をアドインしてください)

提案時のコツは、ディープラーニングが使えることをアピールすることです。上司は、なんで分析経験のない人間に、わざわざ分析させなければならないんだと思っています。しかし、ディープラーニングが出来るとなれば話が違います。上長もびっくりっして許可してくれるかもしれません。

ちなみにディープラーニングを使うだけなら簡単です。以下の記事をご参考ください。
参考記事:scikit-learnのディープラーニング実装簡単すぎワロタ

分析結果は担当メンバーや上司に見てもらいましょう。レポートにまとめられると最高です。そうやってご自身のキャリアにデータ分析の色をつけていくのです。繰り返していけば、データ分析の仕事を振られることもあるかもしれません。データ分析の経験は、転職で大きな武器になります。

10.AIエンジニアに未経験から転職できるのか?

一般論として、未経験から新しい職種に転職することは、難しいと言われています。理由は、未経験からの転職は会社として育成コストがかかるからです。多くの企業は、すぐに即戦力として働いてくれる経験者を採用したいと考えています。

そのため、今の職場でAIエンジニアの仕事ができれば、経験者として採用されることは比較的容易です。しかし、なかなか難しい人もいるでしょう。その場合、

未経験だとしても、実質的にはすぐに経験者として仕事ができる

という、ロジックの構築が必要です。

具体的には、あなたのこれまで職歴から、AIエンジニアで活かせる経験を見つけるという事です。そのために、以下の2つを提案します。

①自分のビジネス経験を棚卸する

AIエンジニアには、「プログラミング」、「機械学習」の他に「ビジネス」の知識も求められることがあります。

もしあなたが、Pythonと機械学習を勉強されているのであれば、「プログラミング」と「機械学習」の部分は、最低限の知識は身に付けられると思います。

学んだスキルの評価や、独学で勉強できるマインドは、面接官からも高く評価されます。しかし経験者と比べ、転職時に大きな武器にはならないでしょう。

しかし、これまでの会社員経験で、豊富な業界知識があったり、顧客折衝の経験があれば、「ビジネス」スキルとして大きな強みになります。例えば営業職で、顧客の課題を整理して解決した経験があれば、AIの専門会社から高く評価されるでしょう。

なぜなら、機械学習の問題設定には、顧客課題の整理と深堀りが必要ですし、機械学習の特徴量設計では、業務知識が必要だからです。

AIエンジニアは、顧客や社内から依頼を受けてデータ分析を行う人ですので、顧客業務に詳しかったり、顧客からヒアリングできるスキルは貴重です。

過去の自身の経歴を棚卸し、AIエンジニアの仕事に活かせる経験がないか棚卸しすることをおすすめします。

②なぜAIエンジニアになりたいのかを整理する

志望動機は、面接で必ず聞かれます。
その際に、「AI開発の仕事が楽しくて専門でやりたいので、AIエンジニアに転職したい」
と言うロジックが必要になります。

もし現在Pythonと機械学習を勉強されているならば、勉強していて面白かったことや楽しく感じたことは、メモに残しておくことをお勧めします(残しておかないと忘れてしまいます)。また、なぜ機械学習に興味を持ったのかを、本音ベースで整理してください。

仕事で最も大事なことはモチベーションです。
本当にAIエンジニアの仕事を楽しくできるかどうかは、面接官も気にしておりますし、あなたの仕事人生に影響するはずです。ですので、ご自身の興味関心を改めて整理してみることをおすすめします。

11.AIエンジニアの求人と選び方

最近のAIエンジニアの求人は、大きく3つに分かれます。

①大手メーカーがAI開発を内製するためAI人材を採用する求人
②IT企業やデータ分析専業企業などベンダ系企業の求人
③Web系ベンチャーなどAI開発を内製するためAIエンジニアを採用する求人

①大手メーカーの求人

一般的に大手メーカーの採用難易度はやや高いです。しかし、AIエンジニア職の枠であれば、入社のハードルは一段下がります。電機メーカーや機械メーカーを中心に、研究所や本社デジタル部門でAI人材を積極採用しているからです。
これまでは自動車業界や電機業界がAIエンジニア採用の主力でしたが、採用したい業種の幅も広がってきています。

やはり大企業は、まだまだ高給で福利厚生も手厚く、安定感があり、周囲の人材レベルも高いです。毎日安心して働けるという事は、何物にも代えがたいものです。

例えば現在30代で、機械学習関連に興味があるITエンジニアが、AIエンジニアやDX推進マネージャーとして大企業に転職するというのは悪くない選択肢です。安定的なキャリアを歩めるので、生涯賃金ベースで高いリターンが期待できます。

参考記事:AIエンジニアの求人の選び方とは?|大企業で人工知能導入が加速し転職チャンスが広がる

②IT企業やデータ分析企業の求人

もしAIエンジニアとして腕を磨きたい方は、老舗のデータ分析企業がおすすめです。百戦錬磨のデータサイエンティストに嫌でも囲まれるため、短期間でAIや機械学習のスキルを身に付けることが出来ます。また、数ヶ月単位でプロジェクトが変わるので、得られるスキルの幅も広いです。

特に20代で数学が得意なITエンジニアの方には、データ分析専業の会社をおすすめします。

③Web系ベンチャー企業の求人

Web系企業は、社内にビックデータを保有しているため、AIエンジニアを積極採用しています。優秀なエンジニアも多いですし、「AIエンジニアで年収1500万円+ストックオプション」など待遇面も恵まれています。
Web業界はデジタル技術を最も尊重する業界です。技術こそが価値の源泉だからです。エンジニアとして腕に覚えがある方は、目指してみる価値はあります。

自分の周りにどれだけ優秀な人がいるかで、成長速度は大きく変わってきてしまいます。そのため、社内情報をしっかり収集し、求人先を吟味することが重要です。 

参考記事:【ベンチャー転職】IT・AIエンジニアがスタートアップ企業転職に役立つ転職サイト

12.AIエンジニアの採用は2024年度から本格化

現在の生成AIを含めた人工知能導入案件で最も大きな課題は、AIエンジニアの不足です。大企業中心にお金を出したいという企業はかなりありますが、肝心の人材がどこにもいないのです。異常な需要過多です。

今の転職市場でAIエンジニアは、ちょっと信じられないくらいモテます。本当に迷惑メールと思われる勢いで採用やヘッドハンティングの連絡が来ます。

この時期に転職エージェントに相談しておけば、良いAI案件に関われる可能性があります

転職エージェントとは、あなたの代わりに企業を探し、あなたの代わりに企業に売り込んでくれる人のことです。転職希望者は無料で利用できます。そしてどんなエージェントにあたるかによって、転職の成功可否を決めてしまう部分があります。

転職エージェントに登録すれば、職務経歴書の書き方から面接準備、求人の選び方まで、転職のプロから直接アドバイスが貰えるので、転職で失敗する確率を下げることができます

またメールでのやり取りが基本で、面談も完全個室のため、会社にバレる心配がありません。

人工知能業界は新しい業界のため、未経験からの転職希望者も多いです。転職ノウハウは転職エージェントが蓄積していますので、彼らのサポートを受けることで、一人で転職活動をするよりもグッと効率的に転職が出来ます。

特に未経験から転職する場合は、転職エージェントを活用するのが一番ベストな方法です。

13.AIエンジニアにおすすめの転職エージェント

転職エージェントの登録は、転職を考え始めたらすぐにでも登録しましょう。転職サイトは在職中から使うべきです。

1社あたり3分で登録できるので、やる気がある今のうちに登録しておくことを推奨します。

もし社内でリストラ勧告を受けたり、人間関係のトラブルがあった後に勢いで転職サイトに登録すると、自分自身に余裕がないので、なんとなくで転職先を決めたりすることになってしまいます。事前に余裕があるときに自分のキャリアを考えることは非常に有益です。自分のキャリアを会社は絶対に守ってくれません。自分にしか守れないのです。

私も仲の良い転職エージェントから定期的にアドバイスを貰っています。自分の考えを他人に話すと、自分のキャリア志向がまとまってきます。

もし未経験から、「AIエンジニアになりたい」「AIに関わる仕事に就きたい」という要望が明確にある場合、人工知能業界に詳しい業界特化型の転職エージェントを選ぶことです。

理由は、会社の内部事情に詳しい転職エージェント(≒会社の採用責任者からヒアリングできている事業者)であれば、人材要件、激務度、離職率について詳細に言及してくれるからです。

また、特に大手エージェント企業が抱える非公開求人は、条件面が恵まれた高収入の案件が多いです。
例えば、「データ分析専任の仕事」「カレンダー通りに休める」「残業時間は月10時間以下」など言っておけば、それにあった求人に絞って紹介してくれます。

AIエンジニアを目指すなら 『マイナビIT AGENT』

マイナビ IT AGENTは、IT・ウェブ業界に特化した転職エージェントです。

1000名を超える営業体制を構築しており、最大手から優良ベンチャーまで数多くのAI業界の求人を保有しています。非公開求人は80%を超えます。特に大手IT企業やインターネット企業のAIエンジニア職の求人が豊富です。

盤石な営業体制を敷いており、各企業の採用責任者からどんな人材が必要か定期的にヒアリングしています。ネットに転がっている知識だけではなく、職場環境や会社の雰囲気について情報収集している数少ない転職エージェントです。

また、収集した企業情報をキャリアコンサルタント内でデータベース化しています。そのため求人者は、1万を超える求人の中から、その人にとって最適な企業を紹介してもらえます。はっきり書きますが、その辺の中小エージェントとは格が違います。

ただし、関東と関西に案件が偏っているため、地方の方にはオススメできません。

2つ目の特徴は、サポートが手厚いことです。マイナビは、10年先のキャリアプランを考える方針で運営しており、他社の転職エージェントと比べ、利用者の満足度が極めて高いです。

20~30代でAIエンジニアを目指す方に自信を持っておすすめします。


※本記事には、マイナビのプロモーションを含みます。

14.AIエンジニアになる3ステップ

1.会社のパソコンにAnaconda(Pythonの実行環境とライブラリ一式)を入れて、こっそり勉強しよう!

2.上司の機嫌がよさそうな時に、「データ分析やりたいです」と提案してみよう!

3.それでもだめなら転職エージェントに登録しよう!

さいごに

機械学習の知識を効率的に学ぶ方法は、機械学習の仕事を始めてしまうことです。

自分の意志で日々勉強することも大事ですが、自分が成長できる環境に移ることが、より大事なのではないでしょうか。

私自身も、自分だけの独学では行き詰まりを感じていました。その後、AIエンジニアに転身してから、成長を強く実感できるようになりました。環境が人を育てるんです。

プールで釣りをしても、魚を釣ることはできません。未経験からAIエンジニアになる方法とは、魚がいる川に場所を変えることではないでしょうか。