就職を控える大学生や若手会社員にとって、これからの変化の波を読むことは重要なことです。自分が身に付けたスキルや経験が、将来不要になるのではと心配していることでしょう。

今起きている社会変化は、"人工知能"というテクノロジーが牽引しています。その変化はとても急激です。人間が把握できる情報量では追い付けなくなっています。

しかし人工知能分野の事業開発に携わる一人として、これからの生活がどう変わるか、大枠での予測は可能だと思い、5年後に起こりうることを予測しました。

未来予測の考え方
①メタップス佐藤さんの本「未来に先回りする思考法を」を大いに参考にする
②自分が人工知能の仕事で体験したことを参考にする
③世の中の統計データを参考にする
    

人工知能って何がすごいの?という人のために

人工知能には4つのレベルがありまして、数年前にLv4になりました。このLv4の人工知能は、「判断軸を自分で発見し、自分でルールを設定して、判断を下す」ことができます。この技術は、"ディープラーニング"と呼ばれています。
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・【書評】松尾豊先生とワトソンに学ぶ人工知能の課題

人工知能の市場規模は87兆円!

EY研究所が出した、市場規模の表をご覧ください。EY02
 出展:人工知能が経営にもたらす「創造」と「破壊」-EY総合研究所

2015年の市場規模は、3.7兆円ですが、2020年に23兆円、2030年に87兆円になるそうです。ちなみに日本のIT業界の市場規模は6兆円。この大きさを感じてもらえるでしょうか。

もう生活のありとあらゆるところでAIが導入していきます。ではどのように私たちの生活に影響してくるのでしょうか。ここから本編です。

予測①:人工知能がホワイトカラーの仕事を奪う

これは間違いないです。実際に顧客の業務分析すると、ほとんどの業務領域でAI適応が見込めます。すぐ導入できる3割、データ蓄積すればできる6割、導入不可能1割といったところです。

具体的には、チャットボットに代表されるような質疑応答に始まり、事務作業の自動化、マーケティングの自動化、果ては経営者の意思決定まで、多くのシーンで使えます。特にディープラーニングの登場は大きく、"関数を微分値をもとに修正する"を繰り返すと、コンピュータが勝手に学習するというのは大変便利です。イメージ的には、子供がマリオゲームをだんだん覚えていくのを、高速化している感じですね。あっという間に賢くなる(誤差が減って最適解を得る)ので、純粋にすごいなと思います。

人間しかできない創造的な仕事もあると言いますが、思った以上に創造的な仕事なんてないですし、給料とスマホゲームしか興味のないサラリーマンに創造性があるとも思えません。あるのは慣例だけです。「人を支援する!」という名のもとに、人の仕事を急速に奪っていってます。 

そのうちAI開発者が、「働きたくないのでディープラーニングに企画の仕事をして貰った」とはてなブログに投稿するのはもう100%間違いないです。誰もやらなければ僕がやります。 

・【書評】人工知能ビジネスの最大課題は特徴量設計

予測②:機械がブルーカラーの仕事を奪う

①と似てますが、機械も勝手に仕事をし始めます。準天頂衛星システムというものをご存知でしょうか。簡単に言うと、日本の上にぐるぐる回る国産の人工衛星で、今年2号機が打ち上げられる予定です。この衛星が打ちあがると、GPSの精度が誤差数cmまでになるとのこと。

つまり、トラクターにGPS受信端末をくっつければ、自動工作機の出来上がりです。農業は完全に自動化されます。その他にも、建設機械の自動化、車や電車の自動運転、ドローンを活用した自動窓拭きなどあらゆるシーンで活用が見込まれています。

空から良質なデータが降ってくるというのが、とても21世紀らしくて素敵です。この衛星に日本国は3000億円投資するようですが、それ以上のメリットがあるかもしれません(少なくとも投資銘柄としては素晴らしいです)。

・人工知能(AI)ビジネスに携わる人向けおすすめ書籍ランキング

予測③:人工知能の予測が天気予報並みに浸透する

幸せになりたいですよね。でも誰と結婚すれば幸せになれるかわかりません。でも大丈夫です。人工知能が、相性の良い結婚相手を診断してくれます。他にも、その人の寿命や将来の年収まですべて教えてくれます。つまりAIに言われた通りに行動すれば、幸せになれる確率が劇的に上がるのです。しかもスマホで手軽に教えてくれます。

また犯罪しやすい人を顔認識ですぐに判別するので、治安が非常に良くなります。怪しい人が駅で歩いていたら急に警官に呼び止められます。なぜならその人は、痴漢しやすい人と人工知能が判断したからです。

・人工知能で結婚相手が決まる未来 ~婚活ブームからAI婚へ~

予測④:商品の値段が安くなる

モノの値段が下がります。なぜなら、人工知能が働くので生産性が劇的に上がるからです。また、スマホとSNSの普及したので取引コストが0になり販売コストも減ります。加えて3Dプリンターで開発コストがも下がるので、商品の価格は急激に安くなるでしょう。
 
他にもネット上で東京都と佐賀県のマッチングなんかもすぐできるので、CtoCのような、業者を通さないでモノの貸し借りを行うようなプラットフォームも増えてくるため、お金を使う機会も少なくなります。
 
・まだコンサルで消耗してるの?機械学習で1千万円削減する方法

予測⑤:大企業が倒産する

多くの大企業はこの急激な変化に対応できないため、業績が悪化します。上司に説明するための膨大な資料作成を行っている間に、外部環境が変化するので、事業がうまくいかなくなり倒産する企業が続出します。

市場調査→資料作成→経営層の意思決定→前提が変わり計画を実行できない→市場調査に戻る
※倒産するまでループ

膨大な管理コストも見過ごせません。一方フリーランスや個人事業主は、SNSで外部の人と容易に連携してます。目に見えて企業から個人へのパワーシフトが進むのが2018年頃でしょう。
また、機会に代替されずに、仕組みを作れる人材の価値は大幅に高まります。働く人の所得格差が加速度的に広がることが予想されます。

・人工知能という原子爆弾に僕たちは耐えられるのか

<まとめ>働く人の視点で5つの予測を1枚の図にしました

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AI時代に生き残る方法はとてもシンプル

この変化の時代に生き残る方法は、わりとシンプルだと思っていまして、「人工知能が既存市場を置き換えるならば、自分がその置き換える側の立場になればいい」というものです。
置き換える側の立ち位置として、エンジニア側とビジネス側の2つがあるので、どちらか好きな方を選びましょう。

①【エンジニア向け】人工知能の開発スキルを身に付ける

・Pythonで人工知能のWebサービスを実装する方法
・ゼロから作るディープラーニングはAIの歴史を変えた
・人工知能(AI)を自社に導入したい人はscikit-learnを利用しよう

②【ビジネスサイド向け】人工知能のビジネススキルを身に付ける

・人工知能(AI)ビジネスに携わる人向けおすすめ書籍ランキング
・もしマーケターが西内啓の『統計学が最強の学問である』を読んだら 
・【文系の方向け】人工知能を本当にゼロから分かりやすく解説する
・人工知能の本を50冊読んでも企業で新事業が立ち上がらない理由

※番外編として、AI銘柄に投資するという方法もあります。
・週刊人工知能(AI)市場 AIベンチャー企業への転職は危険度が高い
(準天頂衛星銘柄に投資するといい事があるかもしれません)

いかがでしょうか。
メタップスの佐藤さんは「テクノロジーの進化は加速度的に速くなる」とのこと。まさに今この瞬間に、テクノロジーがすごいスピードで進化しています。こんなことは人類始まって以来です。思うに、目の前の変化に対して子供のようにワクワクできる人が、生き残るのではないかと感じました。新しい事への好奇心が、強く求められる時代なんだと思います。