一人の人間が、一つのことを持続することは難しい。
ましてや一つの組織が、一つのことを持続することはより難しい。

アメリカの原子爆弾で34万人が犠牲となり、若き特攻隊が皇帝陛下万歳と言って玉砕してから71年。

日本は平和主義を守り続け、世界一金持ちで、世界一治安が良く、世界一インフラが整っている国になった。また、技術力は世界上位で、医療水準や識字率も世界一になった。

僕たちは間違いなく、最も豊かで平和な国に生きている。
 

2020年に143万人の雇用が奪われる

人工知能が発達した社会は、人間の雇用を代替し始める。金額ベースで、国内だけでも2020年には23兆円、2030年には87兆円分の市場が生まれると予想されている。当然ながらこの金額分の雇用が、AIに代替されると言い換えることが出来る。

仮に、AI市場の半分が既存市場を焼き直しするとして、一人当たりの人件費を800万円と置いた場合、約143万人の雇用が奪われる計算になる。

その結果、人間がコモディティ化する。消費者としての人間は、大きな利益を享受する一方で、労働者としての人間の価値は、大きく下がってしまう。

戦争時は、国家の存続を優先し、人間の価値は大きく下がった。そのため、特攻隊として人間を使い捨てることが起きた。

軍事面の技術水準は決して低くなかった日本だが、アメリカと比較したとき、資源の差はどうしようもなかった。また、諜報という概念が薄く、情報戦で大きく敗れてしまった。盛り返すために、日本は人間という比較的余っていた資源を、消耗品として使う道を選んだ。

人工知能が発達し、人間の価値が下がったときに、同じようなことは起きる可能性はないのだろうか。

日本は人工知能戦争に勝てるのか

2008年、ワタミフードサービスが、労働者を使いつぶし、過労自殺させた。これから同じような事件が多発する可能性はないのだろうか。

雇用の選択肢が限られる場合、今の職場で働かざるを得なくなる。それが自殺したくなるような職場環境でもだ。人工知能に雇用を奪われた未来、このような世界になることを危惧する。
 
日本が、AI戦争に勝てたならばよい。AIを使いこなす日本企業が、莫大な利益を生み、税収を上げ、日本はより豊かになるからだ。声高に叫ばれているベーシックインカムも、日本がAIで富を生み出すことが前提となっている。しかし、もしAI戦争に日本が敗れた場合、日本はAIを操る海外企業に雇用を奪われるだけとなる。

70年前の軍事戦争で敗北し、迫りくるAI戦争で敗れた日本はどうなるのか。雇用という限られたパイに、労働者が押し寄せ、雇われてもワタミのように使いつぶされる未来が来る可能性を否定できない。

今度こそこの国は負けるわけにはいかない。この国にワタミは必要ない。

産業用AIで勝てるかどうかが試金石

正直なところ、インターネットやスマホのプラットフォームでは、GoogleやAppleに勝つことは難しいだろう。しかし、自動運転、医療、工場などの産業分野は、まさにこれからの分野だ。

そして産業分野には、IBMのワトソンGoogleの自動運転などでアメリカの参入が始まっている。彼らの裏に、アメリカ国家が絡んでいることは明白である。自動運転アルゴリズムやワトソンという原子爆弾を落とされる前に、この国は手を打たなければならない。

ソフトバンクが、ARMを買収した。トヨタとNTTとPFNが、共同で自動運転の実証実験を始めた。
僕はトヨタやNTTはあまり好きな企業ではない。しかし、国益のため全力で応援したいと思う。
また、AIに関わる一人として、これからも書籍を軸に学び続け、新しい事業を立ち上げていきたい。