「もっと自分に合った仕事をしたい!」
「もっと自分らしく生きたい!」

この考えは良く分かります。僕もそうです。
そのため、今の仕事を打ち捨てて、あちらこちらを掘り返したりしてしまいます。
僕が新規事業をライフワークにしているのも、どこかに自分の金脈があるのではないかという思いがあるからです。IT業界で無限に生まれ続ける新しい技術やサービスに、片っ端から手を出していました。

しかし、この生き方では、結局何も掘り当てることができず、貴重な人生を費やしてしまうことになるのではないかとふと思いました。 

自分にとって最高の生き方とは何でしょうか。
それは、きっと自分らしく、自分の本分に生き抜くことだと思います。
地位や名誉やお金ではなく、自分らしく生きることができれば、きっと大きな満足感を得られるはずです。 


自分らしく生きるとは、結局のところ、目の前の1日1日を丁寧に生きる事ではないでしょうか。
僕は将来の目標を掲げ、そこに向けて努力するタイプですが、それによって目の前の1日をないがしろにする傾向があります。
また、自分で掲げた目標自体が、周囲の声でぶれることもあります。自分自身がしっかり確立できていないからです。


「自分はこれで生きるんだ! 」という信念を持つことができれば、ぶれることなく自分らしく生きることができるのでしょう。その時に、自分の個性や特技が最大限に活かされるのだと思います。言葉を変えると、自分の中に価値観を持つという事でしょうか。

事業とは、顧客に価値を提供することです。そのためにはまず、自分自身の価値基準をしっかり持たなければ、他者に価値を提供することはできないのかもしれません。それが、新規事業という新しい価値を提供するならば、なおのことです。



まだ僕は確固たる自分自身を確立することができていませんが、やっと自分自身の金脈らしいものを発掘できたように感じています。
この金脈は、僕が自分で見つけたわけではありませんでした。僕が不毛な土地を一生懸命掘っていた時に、あるお客様が見かねてそっと僕に教えてくれたものでした。そのお客様は、僕に大きな案件を任せてくれました。

そのお客様は僕に、金脈の場所、掘るための道具、掘る事に対する対価の3つを僕に提供してくれました。


掘り始めて半年間、プロジェクト中は大変厳しいお言葉も頂きましたが、だんだんと手ごたえを感じ始め、成果物にやっとご満足頂き、次の案件も発注頂きました。


もしこのお客様がいなければ、僕はいまだにいろんなところを掘り返していたと思います。

正直めちゃめちゃ厳しいお客様ですので、 顔を見ると手が震える症状も起きましたが(笑)、何とか食らいついてきたおかげで大きく成長できました。

努力は大事です。でも誰と一緒に働くかという部分で、大きく成果が違ってきてしまいます。
それはある意味で運なのかもしれません。ただ、運を良くすることはできると思います。目の前の仕事に誠実に取り組むことで、仕事運は上がるのではないでしょうか。


誠実に生きること以上のライフハックは、存在しないのかもしれません。
誠実な行動が信頼を生み、蓄積された信頼が新しい機会を呼び寄せると思うからです。
それが、これまで新規事業の名のもとに、あちらこちらを掘り返してきた僕の結論です。