先日実家に帰省した際に、お金を下ろそうとみ○ほ銀行の店舗を探したところ見つからず、代わりに地方銀行の店舗がたくさん見つかった。この狭いエリアにこれだけの店舗を持つ地方銀行は、地元ではさぞ大きな力を握っているのだろう。

独占企業である地方銀行

金融機関とは不思議な存在だと思う。
彼らは企業や個人に、お金の貸付と預金を行っている。いわばマーケットの潤滑油としての機能を果たしている。一方、その金融機関自体はマーケットにさらされていない。
例えば地方銀行は、各都道府県に1つか2つかしかなく、それぞれが縄張りを張っていて競争が発生していない。
もしかすると、信用金庫やメガバンクとの競合があると言われるかもしれないが、1つの市場に競合が3社しかいないのならば、それは競争という皮をかぶった寡占と言える。安定した地盤と豊富な資金源を保有している地方銀行は、地元経済界の覇者と言える。

もう一つある。金融機関は、貸出と預金の決済機能を有しているが、それと同時に金融商品を売っている。投資信託や保険などだ。これは、金融機関は多くの顧客情報を抱えたうえで、自由に金融商品を販売できるということである。預金などを通して、自動的に顧客名簿が作れるのだ。これほど強い事業基盤はない。まず潰れることはない。私も地銀株を買おうと思ったほどだ。


金融商品はマーケティングが難しい商品

一方金融機関にも苦労はある。
一つ目は、販売している保険や投資信託は、控えめに言って分かりにくい商品だということだ。どんな商品かを理解するだけで1カ月はかかりそう。普通に考えて、自分が理解できない商品は買いたくない。せめて商品が目に見えたならば、もう少し売りやすいかもしれないが、残念ながら目にも見えない
 しかも単価が高く人生設計に大きく関わってくる商品であるため、かなり精密に審査をすることになるだろう。売りにくい条件が三拍子すべて整っている。マーケティングでいえば、最難関の商品だ。結果を出すのは至難の業だ。

担当者はさぞかし頭を抱えていることと思われる。手数料や金利は簡単には下げられないだろうし。

クラウドファンディングとFacebookによる金融機関の崩壊

不幸はまだある。クラウドファンディングによって、CtoCの金融サービスが登場してきた。いわば金融機関とは無関係に資金の移動が起こることである。当然金融機関の手数料ビジネスの収益は減る。そしてこの流れは加速度的に進んでいる。

以前Facebookが決済機能を用意するというニュースを見た。paypal以上の衝撃だろう。10億人の顧客を抱えるFacebookに勝てる金融機関は存在するのだろうか。

ブロックチェーンもがんばってる。決済が中抜きされて、金融機関の存在意義が奪われるかもしれない。

いわば本当の意味で、金融機関が市場競争に晒される時代が来たのだと思う。


地方銀行の生存シナリオ

地方銀行は、ここ数年で大きく凋落する。吸収合併される金融機関も増えてくる。ただ、金融機関の強みはまだ衰えていない。それは、顧客とのネットワークだ。金融機関は、多くの個人や企業と繋がっており、しかもその中の多くの人達が安心感を感じている。

地方銀行に活路があるとするならば、この安心感というブランドと顧客ネットワークではないだろうか。この2つをうまく使えば、大抵のものが売れる。あの金融商品が売れるのだ。それだけのブランド力と販売チャネルを有しているように思う。

今後のシナリオは2つあると思う。
もし国が法律的に金融機関の業務拡大を認めたならば、地方銀行は地元経済全体の仲介事業者として大きく復活すると思う。
しかし、法律面の制約が変わらなければ、このままクラウドファンディングやFacebookのITベンチャー勢に市場を奪われ、金融機関の数は今の半分以下になると思う。

キーワードは法律改正だ。金融機関の業務領域は変化するのか。監督官庁である金融庁はどう判断するのか。もし改正されたならば、私は真っ先に地銀株を買いたい。

↓この本勉強になりました。

銀行はこれからどうなるのか
泉田 良輔
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
2017-03-27