現在のソフトバンクのビジネスモデルは、インフラと投資の2本立てです。

移動通信インフラと固定通信インフラで、ユーザーを拡大し、定期的なキャッシュを作り出す。ユーザーが一定以上増えれば、あとはそれをメンテナンスしていくだけで莫大な利益が生まれます。ユーザー獲得に向けて、iPhoneを取り扱ったり米系企業を買収したりして、インフラの魅力を高めています。





投資では、将来成長が見込まれ、なおかつソフトバンクのインフラとシナジーがある企業に投資ししています。ポイントは、成長の初期か中期フェーズで投資していること。日本の大企業のM&Aは、ほとんどが海外の顧客を獲得するために、すでに完成された企業を買収しています。しかし、ソフトバンクは、初期の段階で有望な企業を発見し、投資して、莫大なキャピタルゲインを生み出しています。ヤフーしかり、アリババしかり。スプリント買収は、どちらかといえば例外の部類でしょう。

アリババへの投資は、ほとんど神業と言えるレベルの偉業で、ここで得られるキャピタルゲインで日本の大企業を10社は買えるのではないかと思われます。


一方、新規事業としては、ソフトバンクイノベンチャーとソフトバンクアカデミアという2つの施策があるようです。ソフトバンクイノベンチャーは、まあ普通の企業と同じような新規事業立案制度と言えるでしょう。それを、正常に運営しているところはやや評価できます。普通は莫大な時間使って検討して制度だけ作るけれど、暇な若手が数件申し込むだけで数年後に廃止するのが日本の大企業の9割方ですので。


今後のソフトバンクの成長は、国内市場でユーザーを繋ぎとめてインフラで莫大な収益を上げ、アメリカ市場でユーザーを拡大し、投資事業で将来の布石を打ち、ガンホーを中心とした成長市場のモバイルアプリ市場で市場の寡占化を進めていくように見えます。


ソフトバンクがアメリカ発ではなく日本を基点とし、東証に上場してくれたことをとても嬉しく思います。

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